100マイルの終わらない物語

100マイルの山岳レースに挑戦した記録です。長いです。だって100マイルだもの。

トルデジアン200マイル完走記2019 ④腫れ続ける顔 破壊される前腿(セクション5〜6)

セクション5

Gressoney(205.9km)〜Valtournenche(239.0m)

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顔は腫れるがキャラバンは進む

 

Gressoneyは巨大な体育館のライフベースだった。目標到着タイムは21時だったので、ここで初めて2時間の貯金が出来たのだった。若岡さんにまずは寝ますと伝えて体育館の奥へ行くと、簡易ベッドは空いておらず、体操競技用の分厚いマットレスしかなかった。仕方なくその上で横になって1時間の睡眠をとった。

 

マットのすぐ横には別の選手が寝ていたりしてあまり深くは寝られなかったが、それでも1時間は寝られたように思う。起きてFacebook を見ると友達からものすごい量の応援メッセージが書き込まれており、元気をもらった。

充電池を入れ替え、足にワセリンを塗り、着替えを済ませるとフードエリアへ向かった。テーブルには若岡さんと一郎さんがいて、日本人ランナーのサポートをしていた。一緒に混ぜてもらって休憩をする。(顔パンLV.3)

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一緒に席についてカレーメシを食べる。久しぶりに日本語で会話をしながら食べる日本の味はたまらなく美味しかった。サポートのブドウをお裾分けしてもらった。 体調大丈夫ですかと聞かれて、咳が出るんですと言うと、若岡さんがハーブののど飴をくれた。これがその後の咳を止めるには大変効果があり助かった。

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夜9時45分、Gressoney(1329m)をスタート。

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この先はセクション5、大きな山を二つ越えるが、奇数パートなのでそれほど大変なセクションではないはずだ。

夜の町を抜けてしばらくはフラットなパートが続き、山道へと入っていく。

 

夜11時30分、Rifugio Alpenzu(1788m)到着。Rifugioは山小屋の意味で、ここも小さな避難小屋だった。中に入って有料のカプチーノを注文する。普段はカプチーノではなくコーヒー派なのだが、本場イタリアでカプチーノの魅力に気づいてしまった。普段だったらぜったいにやらないけど、ふわふわの泡の上に、砂糖をふりかけて、泡を混ぜずにそのままジャリジャリの泡と一緒にコーヒーを飲む。疲れた身体にはこれがたまらなく美味しかった。後半は山小屋に着く度にカプチーノを飲むのが楽しみになっていた。

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小屋を出てまた夜の山を登りはじめた。 ところがこの単調な登りでこれまでで最も強烈な睡魔に襲われることになる。夜も4日目にもなるのだから当然かもしれない。

眠気は止まらないので、たまらず独り言をしゃべる。頭に浮かぶ前の喉から湧き上がる意味の無い言葉が口から自動的にこぼれ出す。自分の意識とは別に言葉がぼろぼろと口から流れてゆく、まるで自動口述だ。

 

いくらしゃべったところで睡魔は止められなかった。次第に身体が重くなり、動かなくなる。ヘッデンが照らすトレイル脇にある巨大な岩が、気持ちよさそうなベッドに見えてくる。たまらず脇にある大きな岩の上で横になった。

 

岩は冷たかった。いくら眠くてもこんな岩の上で寝られるわけがない。

 

ヘッデンを消して、目を閉じて十数えてみる。横になっている脇を他の選手が負い抜かして行く気配がする。その音を聞きながら十数えきると、立ち上がってみる。身体がさっきより動くのがわかる。また登り始める。しばらく進むとまた睡魔で身体が動かなくなる。岩の上に横になって十数える。立ち上がる。また少しだけ身体が動く。

こんな事を何度も繰り返しながらよろよろと山道を登っていった。

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もー

 

Col Pinter(2776m)に深夜2時に到着。眠気と闘いながら長い時間をかけてようやくGressoneyのライフベースから1300mを登り切った。

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そこからは1200mの長い下り。さすがに下りでは眠気を感じている暇はない。既に200kmを越えているので下りはストックで足を節約しようかと思って試してみるが、かえってブレーキがかかるような感覚がしてダメージになりそうなので、やはりポールを使わずに滑るように下るようにする。相変わらず下りでは前の選手を追い抜かせるので、遠くに見える先行選手のヘッデンを目標にしながら、近づいては抜かすゲーム感覚で進んで行った。

 

午前3時47分、セクション5の二つの山の谷間にあるChampoluc(1556m)エイドに到着。エイドの中では多くのランナーが机にうつ伏せになって寝ていた。奥に仮眠所がありそうなので、ここで少し眠ることにする。女性スタッフに聞くとベッドがいっぱいなので少し待てと言われて、机に突っ伏して10分ほど寝ていると、女性が起こしてくれた。朦朧としたまま2階の仮眠室に連れて行かれ、1時間で起こしてもらうよう女性にお願いをして深い眠りについた 。

 

午前5時、あっという間に1時間が過ぎ起こしてもらって階下へ降りると、ベッドが満員なせいか大勢のランナーが机にうつ伏せになって寝て いた。

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机だけでなく床にそのまま寝ている選手もいる。明け方のエイドの野戦病院感が半端ない。場所があればどこでも寝たくなるその気持ち、わかるよ。

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眠気も取れて、第5セクションはあと一つだけ山を越えれば良いと思うと少し気分も楽になった。エイドで食事を済ませて出発する。

 

ようやく朝焼けだ

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祠の横を通りすぎる

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前方の山が朝日を浴びて輝く。なんて美しいんだ。

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後方を振り返ると雪山が広がっている

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朝日が美しい。天国だろうか。

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さあ今日も登るぞー

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林道のような幅の広いルートを登って行く。調子に乗って動画を撮りながら林道をずんずん登っていたら、途中でマーキングが無くなってプチロストする。慌ててGPSを見ながら不整地を越えて元のルートへ戻る。

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Rifugio Grand Toumalin(2535m)到着。午前8時50分。

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小屋の前には巨大なカウベルが並んでいた

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この時点での順位。398位らしい。ずっと400位過ぎだったので悪くないペース

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綺麗な山小屋の中で朝食をいただく

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カプチーノうまー

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カプチーノを飲んでいると日本語で突然話しかけられてびっくりする。ノースフェイス鵜野さんたち日本人チームが続々到着してきた。

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この先にマッターホルンが見えるはずーとか言いながらみんなでワイワイ。

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さあここからコルまではもうすぐだ。 登りは遅いので一足先に小屋を出る

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下の方に見えるのがさっきの小屋

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9時50分、Col di Nanaz(2773m)到着

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雪山をバックに

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あとは下ればライフベースだ。 あの先に見える尖ったのがマッターホルンだろうか。

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快晴のトラバースを走り

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眼下に町がみえてきた

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お?あの尖ったやつは?

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おおお!?

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マッターホルン どーん!

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11時49分 6番目のライフベースValtournencheに到着。239km地点まできた。

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ここValtournencheは、マッターホルンの裏側から登山道の起点になる美しい町であった。

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セクション6

Valtournenche(239.0km)〜Ollomont(287.2km)

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破壊される前腿 蘇る変態

 

Valtournencheに着いたのは昼間だったが、目標タイムは15時だったので3時間も貯金がある。その次の長い長いセクション6の偶数パートに備えてたっぷり寝ようと思っ た。

 

とりあえず生ビールと生ハムとトマトだ。特にトマトの塩バジル和え、最高!

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居酒屋トルデジアンで一杯やるとすぐに体育館へ移動。マットレスが沢山並んでいる体育館は、涼しくて快適だ。横になってすぐに眠りについた。

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2時間半寝るとアラームで目が覚めた。 足にワセリンをたっぷり塗る

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体育館の横では壇上で皆が横になってマッサージを受けていた。魅力的だったが今のところマッサージを受けるほど大きなトラブルはないのでスルー

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朝ごはん。夕方だけど。日本でも手に入りにくい希少なカップヌードル味噌味を持ってきたのだよ。ふふふ。

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ここからは根性パートなので、 寄せ書きをしてもらったTシャツを着て気合を入れる。(顔パンLV.4)

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午後4時半、Valtournencheを出発。

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塔のある美しいValtournencheの町を抜けて

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マッターホルンの背面を守る町よ、さらば

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トレイルを登って行くと、MTBの集団が降りてきた。みんな楽しそうに山で遊んでいる。アウトドアが生活に根付いている。素敵だなあ。

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そして陽は再び沈んでいく

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巨大なダムの横を登り

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一つ目の山小屋、Rifugio Barmassaに到着した。

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カプチーノジャンキー

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再び登る。牛の群れがいっぱい

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牧羊犬が牛を見張っていた。犬のボス感がはんぱない。

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第5セクション最初のコル、Fenetre d’Ersaz(2290m)到着。19時42分。

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太陽は沈みそうで沈まない

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20時、Vareton小屋に到着

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牛乳がうまー。味が濃いね

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小屋を出るとさすがにあたりは暗くなっていて、5日目の夜がやってきた。第6セクションは大きな山は無いがだらだらしたアップダウンが長く続くコースだ。

ここでさっきのライフベースで持ってきた秘密兵器を投入する。それはヘッドフォンだ。僕は山で音楽は聞かない。音楽は好きなのだが、山ではこれまで聞く必要も感じなかった。念のためとヘッドフォンをドロップバッグに入れておいたのだが、これが眠気と闘わなければならない5日目の夜にすごい威力を発揮した。iPhoneにジャックを差して音楽を流す。あたりの情景が鮮明に立ち上がってきた。身体に力が漲ってくる。

 

左手に、明るいライトのようなものがあった。眩しくて思わず目を細めたくらいだ。見上げるとそれは満月だった。巨大な真円の光は眩しく、帽子の束で光を遮らなければならないほどだった。

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Fenetre du Tsan (2736m)到着 22時12分 第6セクション最初の大きなピークを越えた事に安堵する。

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そこから下ってRifugio Lo Magia(2007m) 23時20分到着。フードの奥には4つのベッドがあって疲れた選手たちが爆睡していた。みんなぎりぎりのところで戦っているんだな。

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小屋を出ると再び月光に照らされたトレイルを登って行く。

 

朧げな光に照らされた道を往く。

 

途中で暗闇の中から水の音が聞こえてきた。

さらさらさら。するするする。

音は次第に存在感を増していく。

 

暗闇の中のどこかはわからないが、僕のすぐ傍のどこかに、水が、あるらしい。結構な水量がすぐ横を流れている。

 

突然、月の光に照らされて水面が浮かび上がる

 

そこには大きな川が、流れていた

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その水面の美しさに、しばし心を奪われて茫然と立ち尽くす

 

しばらく川と並行して登っていくと、大きな平原のようなところに出た。月明かりに照らされた平原。平原の中央に大きな川が流れている事が、目ではなく、身体で、五感で、わかる。

 

月の光に照らされた平原。そしてせせらぎ。なんて美しい。芳しい緑の薫り。きっと昼間見たらもっと美しいのだろうけれど。

見えないが美しい風景。それはまるでおとぎ話のように現実離れした美しさで立ち上がったのであった。

 

Rifugio Cuney(2656m)到着。午前2時。259.8km地点まできた。

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そこからはまただらだらとした細かいアップダウンが続く。 音楽を切り替えて眠気をごまかしながら進む。

 

Col Chaleby(2693m)を越えて

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Bivacco R.Clemont(2705)到着。5日目の夜の午前4時。選手達は狭い小屋の中で肩を寄せ合って休む。

 

言葉は通じないが、みんな仲間だ。言葉なんてなくても、それぞれが考えていることがわかるような気がする。

 

スープパスタにチーズを入れて流し込む

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Col Vessona(2788m)。午前4時半。ようやく前半最後のピークだ。

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ここから、あと1400mだけ下ればOyaceのエイド。そこから残りひと山を越えれば、セクション6は終了だ。

だがこの下りで、状況は一変した。

 

それは、264kmから274kmまでの区間、わずか10kmで1400mを一気に下るパートだった。それほどテクニカルな下りでは無かったが、ここでついに感じた事のない違和感を右膝の内側に感じ始める。

 

これまでだって、何度でも違和感は、起こってきた。でも、身体と対話し、身体の使い方を変える事で、なんとか対処をしてきたはずだ。だが、いまそこにある違和感は、みるみるその姿を現して襲いかかってきた。

 

違和感はあっと言う間に痛みへと変わり、慌てふためいて右側をかばって走っているうちに、ついに左の腿にも痛みが出てしまった。

 

「TORは下りが大変だ」その話なら何度も聞いていた。累積獲得標高24000m。実に富士山8回分。エベレスト3回分。それはつまり、エベレスト3つを下り切らなければ、ゴールへ到達しない事を意味する。

 

前腿がやられて後ろ向きに下ったという話を聞いていたが、自分はこれまで前腿がやられたという経験は無かったし、ここまでは下りで他の選手を抜きながらスムーズに下れていたので、完全に舐めてしまっていた。

 

これが「前腿が終わる」 というやつなのだろうか。痛みはまるで暴動のように雪だるま式に膨れ上がり、激痛へと変わり、一歩一歩激しい痛みに耐えなければならなくなってしまった。

 

がくんとスピードが落ちる。どうする俺。痛み止めを飲むしかないのか。

しばらく痛み止めを使った事はない。痛みの半分以上は脳の錯覚だと思っていたし、 脳への信号の入れ方を変える事で痛みを回避することが出来た。

だが今目の前にある痛みはそんな抽象的なものではなく、容赦なく目の前に立ち塞がって、僕が進むことを拒否していた。

 

Oyaceまで行けばマッサージを受けられるかもしれない。GPSで距離を確認するが、まだ相当距離はあることを知り絶望する。

 

途方にくれてとぼとぼと山道を下る。当然歩きではなかなか距離が進まない。激痛がはしる。途方にくれる。 こんなにも次のエイドが遠いなんて。急に完走に霞がかかりはじめた。激痛に耐え、思考を痛みに支配されたまま山道をとぼとぼと下る。

 

 

ダメ元でいつも身体を診てもらっている先生にメッセンジャーを送った。

「下れなくなりました」

 

すると数分後に返信があった。

「椅子はありますか?」

 

ちょうど途中にベンチがあったので、腰かけた。しばらくすると動画が送られてきた。

「これできますか?」

 

先生の動きをまねして、椅子に座ったまま、上体を屈めてみる。ごく簡単な動作だ。

「はいできました」

 

何本か動画が送られてきた。左右の足を交互に上げてみたり、 腿を右手で押して左手で引く、といった簡単な動きを、動画を見ながら忠実に何度か繰り返した。マッサージではない。ただ足を上げ下ろしするだけだ。

 

「できました」

「できたら、早歩きする感じなら走れます。 下りは蛇行したらいけます。」

 

本当だろうか。

立ち上がってみる。驚くほどすっと立ち上がれた。 足踏みをしてみる。痛みはない。少し歩いてみる。

 

あれ、痛みが消えている

 

ついさっきまで一歩毎に激痛が走っていたのが、嘘のように消えていた。もちろん完全に違和感が消えたわけではない。多少の痛みは残っている。だがさっきまでの激痛は明らかに消えており、軽くジョグしてみると、走ることも出来た。

 

「すごい、あんなに激痛だったのに、下れるようになってきました」

 

人間の身体は不思議だ。時々医学では説明のつかない事がおこる。痛みが出るのは炎症を起こしたところから放出された化学物質が神経に信号を送っているわけで、それを消すには鎮痛剤で信号をブロックする以外に理論的には方法は無いはずだ。だがしかし、いくつかの簡単な身体の動きを繰り返しただけで、現実に、痛みは、消えていた。

 

しばらく下ってみる。途中で少し痛みが強くなってくると、座って例の動作を繰り返す。するとまた下れるようになる。その動きを何度も繰り返しながら、復活して走れる喜びに羽が生えたような気分で下っていく。

 

午前8時13分 Oyace(1360m)到着。足を痛めたせいで下り切るのに4時間近くかかってしまったが、何とかここまで辿り着くことができた。そして何より痛みをコントロールする術を身に着けた事が嬉しい。

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フルーツポンチの生ハムで栄養補給

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鵜野さんや常田さんも合流。あと一山がんばろうと励まし合う(顔パンLV.5 もう目が開いてない)

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Oyaceに着いたらマッサージを受けて休もうかと思っていたが、折角調子が上がってきたのでこのままの勢いで最後の山を越えてライフベースまで行ってしまいたかった。9時過ぎに出発。

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あとはCol Brisonを越えれば最後のライフベースだ。 雲一つ無いトレイルを登って行く。

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牛のいるエイドでほっと一休み

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飛行機雲が見える。コルはまだまだ見えない

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後ろを見ると鵜野さんが来ていた

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飛行機雲の向こうに、ようやくコルが見えた

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鵜野さんと一緒にCol de Brison(2508m)到着。12時10分。

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山頂は大勢の選手でにぎわっていた

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絶景!

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あとは1000m下るだけ。Berio Damonというテントのエイドを越えてゆく

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気温がぐんぐん上がっていく。もうすぐ着くはずと思いきや町に降りてからがまた長かった。長い道を走っていると、ベンチでビール片手にくつろいでいるおじさんがいる。一郎さんだった。

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長かったー!しんどかったー

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知った顔に安心をして思わず文句を言いながら一郎さんとエイドへ向かう。14時前に最後のラ イフベース、Ollomont(1396m)に到着。暑かったし長かった。でもついに最終ライフベース、287km地点まで来たんだ。

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